1.フリーランス保護法とは?
今年の11月1日の「フリーランス保護法」が施行されます。
わが社(自分)には関係がないということで意外とご存知ない方も多いのではないかと思います。
「フリーランス保護法」は正式には「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)といいます。
この法律は、フリーランスが安心して働ける環境を整備するため、
①フリーランスと企業などの発注事業者の間の取引の適正化と
②フリーランスの就業環境の整備
を図ることを目的としています。

2.法の適用対象と定義・義務など
法の適用対象は、発注事業者からフリーランスへの「業務委託」(事業者間取引)であり、売買や消費者からの委託は対象となりません。
そして以下のように定義がなされています。
フリーランス(特定受託事業者):業務委託の相手方である事業者で、従業員を使用しないもの
発注事業者(特定業務委託事業者):フリーランスに業務委託する事業者で、従業員を使用するもの

発注事業者にはフリーランスを保護するために、書面等による取引条件の明示義務や報酬支払期日の設定・期日内の支払義務などが課されます。
また業務委託期間に応じて、受領拒否 ・報酬の減額 ・返品 ・買いたたき 購入・利用強制などの禁止行為や育児介護等と業務の両立に対する配慮、中途解除等の事前予告・理由開示も加わります。

3.ハラスメント対策体制整備
今回このコラムで解説するのはフリーランスに対するハラスメント対策の体制整備です。
企業がやるべき(措置義務)は、以下の3点です。
①フリーランスにハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化、方針の周知・啓発
②フリーランスの相談や苦情に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
③フリーランスに対するハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
具体的には
①は、方針等の明確化と社内への周知・啓発(社内報の配布・従業員に対する研修の実施等)・ハラスメント行為者に対して厳正に対処する旨の方針の規定(就業規則などで懲戒規定を定めて周知する等)
②は、相談窓口の設置(外部機関への相談対応の委託、相談対応の担当者や相談対応制度の設置等)、特定受託業務従事者への周知(契約書に相談窓口の案内を記載する等)、相談窓口担当者による相談への適切な対応(マニュアルの作成等)
③は、事案の事実関係の迅速かつ正確な把握(相談者と行為者の双方から事実関係を確認し、必要に応じて第三者からも事実関係を聴取する等)、事実関係の確認ができた場合の被害者に対する配慮措置の適正な実施等(事案の内容などに応じ、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助などを行う等)
です。


基本的には労働法に基づき講じている職場のハラスメント対策と同様であり、労働法に基づき整備した社内体制やツールを活用することも可能ですが、
・就業規則のハラスメント規定・懲戒規定の改定
・社員研修、相談窓口担当者への研修、フリーランスへの周知
は可能な限り早めに実施すべきでしょう。

詳しくお知りになりたい方は以下のリンク先(厚生労働省HP)をご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html