昨日のニュース等で「アウティング(同意なく性的指向を暴露されること)」を受け20代男性が精神疾患を発症したことについて労働基準監督署から労災認定されていたことが報道されていました。

その男性は同性愛者で、会社には緊急連絡先を登録するため、必要のある正社員に限って伝えることなどを条件に同居する同性のパートナーがいることを伝えていました。
ところが、その1か月後上司がパート従業員1人に対して、男性の同意がないまま性的指向を周囲の人に暴露していたことがわかりました。
上司は「自分で言うのは恥ずかしいと思ったから言っておいた。1人ぐらいいいでしょ」と男性に説明したということです。
男性は上司との人間関係が悪化し、業務に必要なコミュニケーションに支障をきたすなどして精神疾患を発症し、2年後に退社しました。
男性の支援団体によると、アウティングに伴う疾患で労災認定されたのは全国で初めてではないかとしています。

アウティングは労働施策総合推進法の中でパワーハラスメントに位置づけられており、その予防は事業主に義務づけられています。
「パワーハラスメントに該当すると考えられる例」で行為類型「個の侵害」に「労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露する」と記されています。
今回の上司の発言はまさにこれに該当するものです。

パワーハラスメントの労災認定については令和2年6月に認定基準の「業務による心理的負荷評価表」にパワーハラスメントが明示され、令和3年度の精神障害の労災補償(出来事別認定件数)では125件と最も大きくなっています。

今回の事件も踏まえ、企業としてはハラスメント研修などにおいてアウティングやSOGIハラを許さないということを徹底していくべきと考えます。