今月19日、厚生労働省の「第9回労働基準関係法制研究会」を傍聴してきました。
初めての霞が関中央合同庁舎入館で、慣れずに迷子になりそうでしたが・・・
労働基準関係法制研究会は、「新しい時代の働き方に関する研究会」が昨年10月に提言した8項目を受けて、今年1月にスタートした労働基準関係法制に関して学者の方々が意見交換する場です。
今後の労働基準関係法制について、包括的かつ中長期的な検討を行うとともに、働き方改革関連法第12条に基づく労働基準法等の見直しについて以下の具体的な検討を行うことを目的としています。
・労働基準法の「事業」
・労働基準法の 「労働者」
・労働時間制度等
・労使コミュニケーション
・国際的な動向
これまで8回開催されてきて、私が最も興味を持ったのが今回のテーマ「労使コミュニケーション」です。
大企業の人事部門に身を置き、社会保険労務士として様々な企業を顧問先として見てきた経験からすると、使用者と労働者が労働条件や福利厚生などについて相互に意見交換し、議論できているケースは極めて少ないと感じています。
みなさんの会社で従業員代表あるいは従業員個人が人事部門と話し合ったりする機会はありますか?
過半数労働組合があれば実現されていると思いますが、過半数組合がある事業所の割合は、全体のうち1割に満たないのが現状。
となると、立場の弱い一個人が使用者側と労使の交渉につくことはほとんど皆無ですよね。
実際、労働者の過半数代表が、法的に適正な手続きによって選出されていることも少なく、選出されても、よくわからないまま会社が提示した「就業規則意見書」「労使協定書」に署名捺印しているケースが多く、「労使コミュニケーション」など存在していないでしょう。
この現状の問題を改め、労使コミュニケーションのあり方を改善していく、つまり「適正で実効性がある労使コミュニケーションの確保」が趣旨・目的です。
第9回の研究会では
1.労働組合による労使コミュニケーション
2.過半数代表者の仕組みについて(改善方法)
3.労使委員会・労働時間等設定改善委員会の活用について
4.事業場ごとの労使コミュニケーションを集団化することについて
5.労働者個人の意思について
の5つの課題が議論されました。
このうち「4.事業場ごとの労使コミュニケーションを集団化することについて」は、「労働基準法の適用単位は事業場であることから、あくまで事業場単位での労使合意が基本と考えるべきか」「集団化することによるメリット・デメリットについて、どのように考えるか」について各先生から様々な意見が出ました。
各事業場の「過半数組合または過半数代表者」が一堂に本社に集まって、使用者と交渉するとなると、事業場ごとの事情や課題が伝わらなくなる惧れがあり、集団化はデメリットとなると言われた先生もいらっしゃいました。
確かに、製造業のように本社、支店、工場が事業場として複数存在する場合はそのとおりで、金融サービス業の本社人事部門に在籍していた私としてはあまり意識していなかったことです。
研究会の資料は厚生労働省「労働基準関係法制研究会」のホームページに公開されていますので興味ある方はぜひご覧ください。
私自身は以下の「労使コミュニケーションのイメージ図」(資料を改変)について「労働者10人未満の事業場」で意見聴取をする義務が法律上ない(就業規則作成義務もない)ことには違和感を持っています。
企業においては労働者は配置転換により事業場を変わることはしばしばあるので、10人未満の事業場でも労使コミュニケーションの確保・活性化のために就業規則を作成することに何らかの法的な手当があっても良いのではないかと思っています。

研究会は午前10時から始まり、ちょうど正午に終了。
学びの多い2時間でした。
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