厚生労働省では、5年単位で労働災害を減少させるための重点取組事項を定めた中期計画である「労働災害防止計画」を策定しています。
2023年 4 月から2028年 3 月までの 5 年間を計画期間とする「第 14 次労働災害防止計画」が公表され、以下の8つの項目が重点対策となっています。

(1)自発的に安全衛生対策に取り組むための意識啓発
(2)労働者(中高年齢の女性を中心に)の作業行動に起因する労働災害防止対策の推進
(3)高年齢労働者の労働災害防止対策の推進
(4)多様な働き方への対応や外国人労働者等の労働災害防止対策の推進
(5)個人事業者等に対する安全衛生対策の推進
(6)業種別の労働災害防止対策の推進
(7)労働者の健康確保対策の推進
(8)化学物質等による健康障害防止対策の推進

今回のコラムでは、これらのうち産業保健に関する(7)の「労働者の健康確保対策の推進」を見ていきます。

労働者の健康確保対策については、特にメンタル不調や過重労働による健康障害が課題となっており、これらの対策を推進することが重点取組事項となっています。
事業主が取り組む具体的対策としては
<メンタルヘルス対策>
・ストレスチェックの実施のみにとどまらず、ストレスチェック結果を基に集団分析を行い、その集団分析を活用した職場環境の改善まで行うことで、メンタルヘルス不調の予防を強化する。
・「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」に基づく取組をはじめ職場におけるハラスメント防止対策に取り組む。
<過重労働対策>
・過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置に基づき、次の措置を行う。
① 時間外・休日労働時間の削減、労働時間の状況の把握、健康確保措置等
② 年次有給休暇の確実な取得の促進
③ 勤務間インターバル制度の導入など労働時間等設定改善指針(平成20 年厚生労働省告示第108 号)による労働時間等の設定の改善
・長時間労働による医師の面接指導の対象となる労働者に対して、医師による面接指導や保健師等の産業保健スタッフによる相談支援を受けるよう勧奨する。
が有効であるとし、
これらの対策を含めて全ての事業場において産業保健サービスが提供されることが労働者の健康確保対策として重要であると述べています。

そしてこの計画の目標項目とその数値を以下のとおり設定しています。
「アウトプット指標」:重点事項における取組の進捗状況を確認する指標
「アウトカム指標」:アウトプット指標に定める事項を実施した結果として期待される事項として定められ、実施事項の効果検証を行うための指標

国としてはこの目標を進捗管理し、達成するため今後具体的な施策を打ってくるでしょう。
「年次有給休暇取得率」、「勤務間インターバル制度導入」、「メンタルス対策」、「50人未満事業場のストレスチェック」はキーワードです。
お時間があるときに以下の厚生労働省のホームページを確認しておきましょう。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197308.html